行政書士になるには行政書士試験を受ける必要があり、合格率は10%~15%程度だとされています。
行政書士試験合格のために欠かせない「行政書士試験の模試」は、毎年多くの受験生が利用しています。
行政書士の模試は、大手予備校を中心に様々な形式で提供されているため、どこで受験すればいいか迷っている方も少なくありません。
そこで今回は行政書士試験の模試におすすめの予備校や市販の模試、模試の効果的な活用方法などについて紹介します。
行政書士試験の模試におすすめの予備校【比較6選】
予備校名 | 模試の受講料金 |
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アガルート | 5,478円 |
LEC |
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伊藤塾 | 2,000円~12,000円 ※会場の場合はプラス500円 |
フォーサイト | 10,800円 |
TAC | 2,200円~3,300円 |
辰巳法律研究所 |
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アガルート 行政書士試験模試

日程(2025年) | 教材発送・視聴開始日:8月7日(木)~11月30日(日 |
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受験料 | 税込5,478円 |
会場 | オンライン |
アガルートの行政書士試験の模試は人気の豊村講師が出題される可能性が高い問題を予想した試験で、より本番に近い実力を測ることが出来るのが特徴です。
また、行政書士試験の出題傾向をかなり細かく分析し作られているようなので、最後の復習や最終手段のヤマ当てにも利用できます。
ただしアガルートの模試試験は自宅受験のみで自己採点となっているため、点数や順位などの成績通知はないので注意が必要です
また、アガルートの模試は1年に1回のみの提供となっているため、時期を逃さないように公式サイトを定期的にチェックすることをおすすめします。
LEC東京リーガルマインド 行政書士試験模試

日程(2025年) | 【到達度確認模試(全2回)】
【全日本行政書士公開模試(全2回)】
【ファイナル模試(全1回)】
【厳選!直前ヤマ当て模試(全2回)】
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受験料 | 【到達度確認模試(全2回)】
【全日本行政書士公開模試(全2回)】
【ファイナル模試(全1回)】
【厳選!直前ヤマ当て模試(全2回)】
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会場(模試による・自宅受験も可能) |
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LECの2024年のファイナル模試の申込者数は5,689名となっており、信頼度の高い模試として知られています。
LECには長年にわたるノウハウの蓄積に加え、最新の試験傾向を把握するために尽力する講師や教材制作スタッフが在籍しています。
全国最大28箇所のLEC本校およびLEC提携校で実施されており、本番さながらの緊張感の中で解くことで、本番に向けた万全なシミュレーションが行えます。
また、模擬試験の日程に都合がつかない方のために、自宅受験も用意されているため地方の方でも安心です。
受験した模試や答練の成績表は、「Score OnLine(スコアオンライン)」を利用してWeb上で確認で着るようになっており、 正解率表や特典分布グラフなど、様々な角度から集計された「総合成績表」や「個人成績表」により、現時点での実力や弱点を把握できます。
伊藤塾 行政書士試験模試

日程(2025年) | 【憲民行基礎チェック模試】 2025年11月30日まで 【行政書士頻出Aランクチェック模試】
【重要事項総ざらい講義&ファイナルチェック模試】
【公開模擬試験(全2回)】
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受験料 | 【憲民行基礎チェック模試】 2,000円 【行政書士頻出Aランクチェック模試】 3,000円 【重要事項総ざらい講義&ファイナルチェック模試】 12,000円 【公開模擬試験(全2回)】 6,000円 ※会場受験の場合はプラス500円 |
会場 | 【憲民行基礎チェック模試】 WEB模試 【行政書士頻出Aランクチェック模試】 WEB模試 【重要事項総ざらい講義&ファイナルチェック模試】
【公開模擬試験(全2回)】
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伊藤塾は創立1995年以来、多数の行政書士を輩出してきた実績のあるスクールで、伊藤塾が毎年開催している「実力診断模試」では、多くの受験生が参加しています。
伊藤塾の行政書士試験の模試は、熟練の講師による記述式の丁寧な添削と4時間にも及ぶ詳しい解説動画が受験生から特に好評です。
伊藤塾の模試の中で特におすすめなのは9月~10月に開催される公開模擬試験です。
解説講義はウェブで配信され、4時間にわたり、各問題の正解を導く解答プロセスについて詳細に解説されます。
さらに、成績表には各問題の正解率が記載されているため、効率的に復習を行うことができるため2回程度受験しておくのが理想だといえるでしょう。
フォーサイト 行政書士試験模試

日程 | いつでも受験可能 |
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受験料 | 10,800円 |
会場 | 自宅受験 |
フォーサイトは通信講座専門校ですので、模試も、自宅受験のみの実施となります。
また、全国公開模試ではありませんので、特に受験日程も決められておらず、いつでも受験ができます。
フォーサイトでは、「基礎レベル」と「本試験レベル」、段階に分けた2種類の行政書士試験の模試が用意されています。
そのため、行政書士の勉強が本格化する前の理解度チェックとして「基礎レベル」を受験し、直前期には「本試験レベル」で実力を測るといった使い方がおすすめです。
フォーサイトの行政書士試験の模試は個人成績表などの解説がないので、自分の実力が正確に測れないことに注意が必要です。
また、自宅受験のみとなっているので、会場で受験したい方は他の模試を受けることをおすすめします。
TAC 行政書士試験模試

<tr”>受験料【全国実力チェック模試】
2,200円
【全国公開模試】
- 第1回+第2回:5,500円
- 第1回:3,300円
- 第2回:3,300円
日程(2025年) | 【全国実力チェック模試】
【全国公開模試】 |
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会場 | 【全国実力チェック模試】
【全国公開模試】 |
TACは教室講座やビデオブース講座、Web通信講座など学習スタイルに合わせて受講でき、卒業後のフォローも手厚く、学生や社会人、専業主婦など様々な人が受講しています。
TACの模試は、上記の全国実力模試の他に「全国公開模試」が2回分あり、計3回模試を受ける機会が用意されています。
「全国実力模試」では、解答を導く考え方や得点するための書き方など丁寧な添削指導や、自分の実力を客観視できる「個人別成績表」といったフォローの手厚さが魅力です。
受験形態は会場受験と自宅受験から選べるのも嬉しいポイントとなっています。
ただしTACの全国実力チェック模試では、解説講義の動画がないので注意が必要です。
模試の解説は、受験後に送られてくる記述添削済答案やTACの講師による講評のみとなります。
辰巳法律研究所 行政書士試験模試

日程(2025年) |
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受験料 |
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会場 |
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辰巳法律研究所は司法試験、予備試験、司法書士試験などの法律関連資格試験に特化している予備校であり、行政書士講座も取り扱っています。
長年の指導実績を有し、試験に関するノウハウが豊富に揃っています。
模試や答練(答案練習)は特に高く評価されており、合格に必要なスキルを重点的に鍛える内容が特徴です。
また、難易度が高いことで知られ、本試験を意識した問題構成が特徴です。
受験者にとっては実力を試し、弱点を把握するのに非常に役立ちます。
行政書士試験の模試を受けるメリット
メリット1】時間配分や解く順番のシミュレーションになる
行政書士試験の模試を受けるメリットの1つは時間配分や解く順番のシミュレーションになることです。
行政書士試験は3時間という短い時間制限が設けられており、効率よく取り組まないと全ての問題に取りかかることができません。
本試験と同じ構成と時間の模試を受けることで、限られた時間の中で重点を置く科目や科目ごとの時間配分、見直しの時間など、具体的にシミュレーション出来ます。
その他にも、自分の集中力が高まっている時間帯に、民法や行政法などの思考力が問われる問題を配分するといった、解く順番も模試を利用するのもおすすめです。
メリット2】自分の弱点を把握できる
模試を受けることで、それまで自覚していなかった自分の弱点がわかるメリットがあります。
自分では気づいていないだけで実際には苦手な分野があるケースも少なくありませんが、模試ではそこが明確になります。
弱点や苦手を克服していくことで、合格に一歩近づくことができます。
ただし、模試の復習に時間をかけすぎないように注意が必要です。
模試はあくまで弱点を見つけるための手段であることから、特に直前期はテキストや過去問、問題集、条文学習を優先して進めることが重要です。
問題のランクや正答率がわかる場合は重要度の高い問題や正答率の高い問題に絞って学習し、余裕があればさらに範囲を広げるのがおすすめです。
行政書士試験模試のおすすめ活用法
活用法1】最低でも3回は模試を受験する
行政書士試験の模試活用法の1つ目は「最低でも3回は模試を受験する」です。
なんとなく模試を受けるのではなく、受ける時期ごとにそれぞれ目的を決め、明確な目標を立てて受験することが大切です。
行政書士の本試験を11月に受けると仮定し、以下のようなスケジュールで受験することをおすすめします。
模試を受ける時期 | 目的 | |
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1回目 | 8月ごろ | 苦手科目や弱点、得点源を把握する |
2回目 | 9月ごろ | 苦手科目を克服できているか確認する |
3回目 | 10月ごろ | プレッシャーの中で実力が出せるか確認する |
まず、8月頃に1回模試を受けて苦手科目や弱点、得点源を把握し、9月頃に2回目を受験して苦手科目で得点が上がっているかどうかチェックします。
1・2回目では点数を気にするのではなく、弱点・強みを知る機会として取り組むのです。
最後に、総仕上げ時期の10月に模試を受けますが、直前期の模試では、本試験を意識した問題が出題されます。
プレッシャーがある中で、普段通りの実力が出せるかどうか、時間配分や解く順番も意識するのがおすすめです。
活用法2】重要度の高い問題を優先的に復習する
模試を受けた後はすべての問題について復習する必要はありません。
なぜなら本試験で合格するかどうかは、誰もが解けるべき問題を、いかに確実に得点できるかにかかっているからです。
模試の解説には重要度が示されているため、その重要度に従って復習することが効率的でしょう。
反対に重要度が低い問題は、思い切って無視するのもひとつです。
また他の受験生の正答率が高い問題を間違えている場合、必要な基礎知識が不足している証拠ですのでしっかりと復習する必要があります。
もちろん、重要度の低い問題が本試験で出題される可能性もゼロではありませんが、その可能性のために模試のすべての問題を新たな知識として詰め込もうとするのは非効率です。
それよりは自分がこれまでに勉強してきたテキストに載っている基礎知識をしっかりと頭に叩き込んでいきましょう。
活用法3】模試の結果が悪くてもあきらめない
模試の結果が悪くても本試験で合格する可能性は十分にあるため最後まであきらめないようにしましょう。
実際に、模試で一度も合格点に達しなかった人や得点に波がある人が本試験に合格することはよく見られます。
本試験直前の模試で合格点に達しなかった場合、無理かもしれないという諦めの気持ちがどうしても湧いてくることはあります。
しかし、そこで諦めるともったいないので一度初心に帰り、「なぜ試験を受けようと思ったのか」「なぜ行政書士を目指そうと思ったのか」といった、行政書士試験に対する強い思いを思い出してみてください。
行政書士試験の模試に関するよくある質問
行政書士試験の模試はいつ受けるのがおすすめ?
1年以上かけて勉強する場合は、5月頃を一つの目安とするのがおすすめです。
半年前から模擬試験を受け始め学習の進捗を確認し、どの程度学習が進んでいるのか、基本的な事項や重要な論点が理解できているかを把握します。
ここでは細かいテーマや知識にこだわる必要はなく、本試験と同じ問題数(60問)にこだわる必要もありません。
自分の実力を客観的に把握し、その後の学習計画に活かす意識で受験しましょう。
また短期間での合格を目指す場合は9月頃を目安に、試験の3ヶ月前から受け始めると良いでしょう。
本試験までに2回から3回程度受験し、自分の弱点を確認するのが望ましいでしょう。
「他の受験生が正解しているのに自分だけが間違っていることはないか」「記述式で何も書けない状況になっていないか」などを確認し、学習の方向性を定めることが重要です。
行政書士試験の模試は会場受験と自宅受験はどちらがおすすめ?
行政書士試験の模試には大学や会議室などの会場に行き受験する会場受験と、自宅に教材が送られ自分で取りかかる自宅受験の2つの形式があります。
会場受験では、本番に近い雰囲気の中で模試を受けられますが、日時が決められているので忙しい方は受けるのが難しい場合があります。
自宅受験は好きな時に模試を受けられるのが特徴なので、忙しい方におすすめです。
ただし、自宅受験の場合はリラックスした状況の中で模試に取り組むので、本番の緊張感に体を慣らせないことに注意が必要です。