薬剤師は未経験の異業種・業界に転職できる？何歳まで転職可能？資格なしでも薬剤師の経験を活かして転職を成功させるコツ

薬剤師で未経験の職場へ転職を検討している人の中には、「未経験でも調剤薬局への転職はできる？」「仕事内容はどう変わる？」などの疑問を抱えている人もいるでしょう。

薬剤師は職場が異なっても仕事内容が似ていたり、人手不足を抱えている職場が多かったりする点で未経験でも転職しやすい傾向があります。

さらに、3年以上の実務経験があれば比較的転職もしやすくなります。

しかし、実際に転職する前に調剤薬局やドラッグストアなど、それぞれの転職難易度を把握しておきたいですよね。

今回は薬剤師として未経験の職場に転職するのは可能かについて、薬剤師の経歴を活かす転職術を含めご紹介します。

薬剤師は未経験でも異業種・業界へ転職しやすい理由

理由1】職場が異なっても仕事内容が似ているため

薬剤師は職場が異なっても仕事内容が似ている傾向があります。

全く同じわけではありませんが、基本的に調剤や服薬指導は多くの職場で行う業務です。調剤薬局とドラッグストアでは医薬品の販売や相談がある点で異なりますが、必要な知識は似ている点で転職がしやすいでしょう。

例外として大学病院や製薬会社のMR、研究職などでは専門的な知識が必要となるため、未経験での中途採用は難しいかも知れない点を覚えておきましょう。

理由2】人手不足を抱えている職場が多いため

薬剤師の現場では人手不足を抱えている職場が多い傾向にあります。

調剤薬局やドラッグストアでは地域差はあるものの全体的に人でが足りていない職種と言えます。未経験でも採用したい職場は多く、転職の難しさはそこまで高くないでしょう。

理由3】薬剤師として3年以上の経験があれば転職しやすい

薬剤師は3年以上の経験があれば転職しやすい傾向にあります。

薬剤師として調剤薬局からドラッグストアなど未経験の職種であっても、3年以上の経験があると薬剤師として基本的なスキルや社会人経験があるという信頼にも繋がります。

加えて、新卒から3年目での転職はまだ年齢的にも若く、将来性を見据えることが十分可能なため、未経験職種でも無理なく挑戦できるでしょう。

薬剤師が同業種・業界へ転職する際の主な転職先・転職難易度

ドラッグストア【転職難易度：低め】

ドラッグストアのOTC業務は、知識や経験が活かしやすい特徴があります。

ドラッグストアでは顧客に向けて薬品の説明や、症状に最適な薬品を紹介するための相談などを行うので、調剤薬局の服薬指導で培った薬品知識やコミュニケーション能力を活かせるでしょう。

また、ドラッグストアは全国各地にあるので需要が高い特徴があります。

ドラッグストアは人々の生活に欠かせないものとなっており、首都圏から地方エリアまで膨大な数があります。

首都圏などの人気エリアでは競争率が高くなるケースもありますが、そこまで働く場所を選ばなければ基本的に常に求人募集を見つけられるでしょう。

調剤薬局【転職難易度：低め】

調剤薬局の業務内容は主に以下の3つです。

• 調剤業務
• 服薬指導
• 薬歴管理

上記のように調剤薬局での業務は業務内容が限られているので、薬剤師であれば専門的な知識も必要ありません。

調剤経験があり。服薬指導をするうえでのコミュニケーションが問題なければ転職がしやすいでしょう。

また、調剤薬局は勤務形態・職場環境が整っている傾向にあります。

近年の調剤薬局では調剤の機械化が進んでおり、最新の調剤機器や管理システムが導入されていれば薬剤師の業務負担がかなり軽減されています。

設備が導入されていることで、業務後効率化されるので残業時間が短縮されることにも繋がります。

加えて、調剤薬局は基本的にマニュアルがしっかりあり、確認できる状態になっているので、転職しても安心して働ける職場といえます。

病院【転職難易度：高め】

薬剤師が病院で働く場合、他の職種よりも業務の幅が広い特徴があります。

病院薬剤師の業務は調剤業務以外にも薬剤管理指導やチーム医療、治験などもあるので、未経験からの転職となると簡単ではありません。

加えて、調剤薬局ではないような迅速な判断が求められるケースもある店でも、未経験で転職するのが難しいでしょう。

ただし、薬剤師が病院で働く場合、より専門的な知識が求められます。

調剤薬局やドラッグストアとは異なり、医師や看護師とコミュニケーションをとるため、業務を進めていく上で同等の知識量が必須となります。

加えて、病院では最先端の医療技術や機器などを取り扱うこともあり、新しいものが出る度に勉強していく必要があります。

製薬会社【転職難易度：高め】

製薬会社で薬剤師が働く場合、高度な知識を求められます。

職種によって異なり、MR（医薬情報担当者）は自社の医薬品の有効性や安全性などをわかりやすく説明するようなスキルが必要で、CRC（治験コーディネーター）は新薬開発に関する資料・データ作り、検査機器の管理などを行えるスキルが必要となります。

調剤薬局やドラッグストアよりも専門的で高度なスキルが必要となる点で、未経験からの転職は難しいでしょう。

また、製薬会社では未経験者はそもそも採用している事例が多くありません。

例えば、製薬会社のCRCは薬剤師資格転職するケースも考えられます。しかし、MRのような営業的な業務が中心となる職種や、研究職のような専門的な知識が必要な職種では未経験で採用していないことがほとんどです。

薬剤師から未経験業界への転職を成功させる秘訣

これまでの経験を活かせる職場に転職する

薬剤師として未経験の職場に転職するには、これまでの経験を活かせる職場を選ぶことが重要です。

薬剤師は基本的に似たような業務が多いですが、働く職場によっては専門的な知識やスキルが必要となるケースもあります。

例えば、調剤薬局から病院や製薬会社へ転職する場合は、勉強が必要となることがほとんどです。

それであれば、ドラッグストアへの転職のほうが調剤知識や服薬指導などの経験を直接活かせるので適切でしょう。

5年後・10年後のキャリアを明確にしておく

薬剤師として未経験の職場に転職するには、5年後・10年後のキャリアを明確にしておくことも重要です。

薬剤師として転職するうえで、長期的な目線でキャリアの目標がないと、採用時に不利になります。

新卒で3年働いた職場から転職する場合、将来性があるとみられて転職に成功しやすいですが、具体的なキャリア目標があれば、さらに志望理由や採用面接で良い印象を残しやすいので5年後・10年後のキャリアを明確にしておきましょう。

企業が求める人物像を理解する

薬剤師として未経験の職場に転職するには、企業が求める人物像を理解することも大切です。

調剤薬局やドラッグストアはどこでも似たような業務になりがちですが、それぞれ理念や人物像は異なります。

働く企業や薬局によって掲げられた人物像を理解して、自分がその職場に適当かどうか事前に理解しておくことで、採用されやすくなるでしょう。

未経験の業界でもこれまでの薬剤師キャリアを活かして転職しよう

今回は薬剤師として未経験の職場に転職するのは可能かについて、薬剤師の経歴を活かす転職術を含めご紹介しました。

薬剤師は職場が異なっても仕事内容が似ていたり、人手不足を抱えている職場が多かったりする点で未経験でも転職しやすい傾向があります。

ぜひこの記事を参考に、これまでの薬剤師キャリアを活かした転職を検討してみてください。