TikTok

TikTokの無断転載は違法!著作権違反となる事例と著作権侵害時のペナルティを徹底解説

TikTok 無断転載 違法

TikTokではアニメや映画、テレビ番組などの映像が投稿されているのをよく目にしますが、その多くが著作権者の許可を得ていない「無断転載」に該当します。

無断転載は法律で禁じられている著作権侵害という犯罪行為であり、場合によってはアカウントの凍結や法的処置といった重いペナルティを受ける可能性もあります。

本記事では、TikTok上でよく見られる無断転載の具体例や、実際にどのようなペナルティがあるのか、さらに「フェアユース」に関する注意点まで詳しく解説します。

TikTokでの無断転載は著作権侵害

TikTokで見かけるアニメ・ドラマ・映画・音源・切り抜き動画などの多くは、実は「無断転載」に該当する可能性があります。

無断転載とは、著作権者の許可を得ずに著作物をコピー・掲載・再配信する行為を指します。

これはTikTokに限らず、YouTubeやX(旧Twitter)、InstagramなどあらゆるSNSで禁止されている行為です。

著作権法では、動画・音声・文章・イラスト・写真などの創作物は、作者の許可なしに利用することができません。

TikTokの動画も例外ではなく、たとえ短いクリップであっても「無断転載=著作権侵害」となる可能性があります。

TikTokの利用規約にも著作権保護が明記

TikTokの公式利用規約には、著作権を含む第三者の知的財産権を尊重することが明確に記されています。

ユーザーは、自分が投稿するコンテンツについて「必要な権利や許可を有していること」を前提に利用するよう求められています。

著作権侵害に該当する行為
  • 著作権者の許可を得ずに音楽・映像・画像をアップロードする行為
  • 他人のSNS投稿やイラスト、写真を無断で転載する行為
  • 市販の楽曲を動画のBGMに使うなど、商用音源の不適切な使用

これらの行為が報告・発覚した場合、TikTokは該当動画の削除アカウント制限などの対応を行います。

また、悪質と判断されればアカウント凍結法的責任に発展する可能性もあります。

TikTokでよくある無断転載の例

TikTokでは、著作権の知識がないまま投稿される動画が多数存在します。

なかには本人の意図しない形で著作権侵害となっているケースもあります。ここでは、TikTokで特に多く見られる無断転載の例を5つ紹介します。

  1. 切り抜き動画の無断利用
  2. アニメ・ドラマ・映画などの転載
  3. SNS投稿・イラストの無断使用
  4. 音源の無許可利用
  5. その他コンテンツ(ニュース素材・ゲーム画面など)の転載

切り抜き動画の無断利用

YouTubeや配信サービスで人気の「切り抜き動画」をTikTokに転載しているアカウントをよく見かけますが、これらの多くは著作権者の許可を得ていない「無断転載」に該当します。

切り抜き動画には、元となる動画の配信者や所属事務所などの権利者が存在します。

許可なしに動画を編集・再投稿することは、たとえ短尺でも著作権侵害となります。

アニメ・ドラマ・映画などの転載

TikTokではアニメやドラマ、映画の映像が投稿されているのを頻繁に見かけますが、これらの多くは著作権者の許可を得ていない無断転載です。

これらのコンテンツは基本的にテレビ局や制作会社、配給会社が著作権を保有しています。

TikTokはこうした「版権コンテンツ」の使用許可を自動的に与えるプラットフォームではなく、権利者が個別に許可した場合を除き、使用は認められていません

たとえ短い数秒のシーンであっても、編集していたとしても、著作物を無断で使用すれば著作権侵害に該当します。

TikTok運営はコンテンツ管理(いわゆる「版権管理」)を行っていないため違法な投稿が表面上残ってしまうケースもありますが、それは許可されているわけではなく、「発見されていない」だけです。

また、こうした転載動画に音源を付けて編集する行為は、二重で著作権侵害となる可能性もあるため、特に注意が必要です。

SNS投稿・イラストの無断使用

他人がX(旧Twitter)やInstagramなどに投稿した画像・イラスト・文章を許可なくTikTok動画に転載する行為も、著作権の侵害に該当します。

SNSに投稿された内容は、その投稿者が著作権を有する「著作物」です。たとえ公開アカウントであっても、自由に転載できるわけではありません

また、絵やイラストについても、投稿と同時に著作権が発生しており、作成者に無断でTikTokに投稿すれば、著作権侵害と見なされるリスクがあります。

古典的な絵画や著作権の保護期間(原則、著作者の死後70年)を過ぎた作品などは例外的にパブリックドメイン(著作権が消滅している)となる場合もありますが、現代のSNS投稿のほぼすべては著作権保護の対象と考えるべきです。

音源の無断利用

TikTokで動画を投稿する際、多くのユーザーがBGMや効果音などの音源を使用しています。

しかし、これらの音源にも著作権が存在し、許可なく使用することは著作権侵害となる可能性があります。

ただし、TikTokが公式に提供している音源については、TikTok内での使用に限り許可されたコンテンツです。

TikTok上で利用可能な音楽を使う限りにおいては、基本的に著作権問題は発生しません。

一方、外部から取り込んだ音源やフリー音源を使用する際は注意が必要です。

たとえ「フリー素材」や「商用利用可」と書かれていても、利用条件が存在することが一般的です。

たとえば、以下のような条件が設定されていることがありま。

  • クレジット表記(作曲者名やサイト名)を記載すること
  • 商用利用は禁止
  • 加工禁止、二次配布禁止

音源を使用する際は、必ずライセンスや利用規約を確認し、条件に違反しないようにしましょう。知らずに違反していた場合でも、通報や削除の対象になる可能性があります。

TikTokで無断転載を見つけたら報告しよう

TikTokで他人のコンテンツが無断で転載されていると感じた場合は、速やかに運営に通報(報告)することが大切です。

通報によってTikTokの運営が審査を行い、著作権侵害と認定された場合には投稿削除やアカウントのペナルティーといった措置が取られます。

報告はアプリ内から簡単に行うことができ、該当の投稿とアカウントの両方を対象に通報するのが効果的です。

特に以下のようなケースでは、早急な対応をするべきと言えるでしょう。

  • 収益目的で無断転載が繰り返されている
  • 悪意ある編集や誤解を招く投稿が含まれている
  • 著作物の大部分が無断で使用されている

また、自分自身の作品が無断転載されている場合はTikTokの「著作権侵害に関する報告フォーム」を活用し、正式な著作権者として削除依頼を出すことも可能です。

TikTokで無断転載してしまった際のペナルティー

TikTokで無断転載を行ってしまった場合、複数のペナルティーが科される可能性があります。

これらはTikTokの運営ルールに基づくものであり、違反が認定されると厳しい措置が取られます。

ペナルティー1】無断転載した投稿の削除

通報や内部審査によって著作権侵害が確認されると、該当の動画は削除されます。

再生数が多くても削除は避けられません。

ペナルティー2】アカウントの凍結

TikTokでは同一IPからの著作権侵害が3回以上になるとアカウントが永久凍結されます。

復旧は不可能で、再投稿には新アカウント作成が必要です。

ペナルティー3】アカウントのシャドウバン

投稿しても他人の画面に表示されなくなる状態で、実質的には投稿活動が不可能になります。

気づきにくいペナルティーですが、影響は非常に大きいです。

ペナルティー4】法的処置

無断転載を繰り返すなど悪質なケースでは、著作権者から民事・刑事の法的措置が取られることもあります。

ペナルティーの中でも最も重く、罰金や懲役に至る可能性もあります。

フェアユースについて

「フェアユース(Fair Use)」とは、特定の条件を満たす場合に限り、著作権者の許可を得ずに著作物を利用できる制度です。

主にアメリカの著作権法に基づく概念であり、日本の著作権制度とは異なります。

TikTokの無断転載を正当化する根拠としてフェアユースを持ち出すケースもありますが、日本国内ではこの制度が明確に法文化されていないため、安易な適用は禁物です。

フェアユースの判断基準(米国基準)
  • 利用の目的と特性(営利か非営利か、教育目的など)
  • 著作物の性質(創作性の高い作品かどうか)
  • 使用された部分の量および実質性
  • 著作物の市場価値への影響
フェアユースとされる可能性のある例
  • 教育や研究目的での使用
  • 報道・批評・評論の一部引用
  • 著作物の一部だけを短く使用し、加工や変化が加えられている場合

ただし、上記に当てはまっても必ずフェアユースと認められるわけではありません。判断は非常に複雑で、専門家でも意見が分かれることがあります。

TikTokの投稿においても、フェアユースを自己判断で適用するのは危険です。

許可を得ることができない場合は、投稿を控えることが最善策です。

TikTokの無断転載に関するQ&A

Q. 収益化をしなければ無断転載をしても問題ないですか?

A. 収益化の有無にかかわらず、無断転載は著作権侵害に該当します。

著作権は、著作者の権利を保護するための法律です。営利・非営利に関係なく、無断で使用すること自体が違法となります。

たとえ広告収益などを得ていなくても、著作物を勝手に転載する行為は避けましょう。

Q. 一度でも無断転載をしてしまうとどうなりますか?

A. 一度の無断転載でもペナルティーを受ける可能性はあります。

TikTokでは著作権違反が1件でも確認されると、該当投稿が削除されることがあります

また、累積によってはアカウント凍結やシャドウバンの対象になる恐れもあります。

とくに3回の著作権違反が同一IPから確認されると、アカウントが永久凍結されるという仕組みも存在するため、たとえ初回であっても甘く見てはいけません。

万が一、無断転載に該当する投稿をしてしまったと気づいた場合は、早急に削除することでリスクを軽減できる可能性があります。

TikTokでの無断転載はリスクが大きい

TikTokにおいて、アニメ・ドラマ・音楽・イラスト・SNS投稿などを無断で転載する行為は、著作権侵害という明確な違法行為に該当します。

近年では、悪質な無断転載に対してアカウント停止や法的処置が行われるケースも増加しています。

「テレビ番組の転載はアクセスが稼げるので収益化が見込める」と考える方も多いですが、結果的には上記のようにアカウントが停止したり、企業案件が来なかったりするので意味がありません。

TikTok上でバズを狙ったとしてもリスクが非常に大きいため、許可を得ていないコンテンツの投稿は絶対にやめましょう